食卓で大活躍!大谷哲也さんの平鍋

我が家の料理、食卓に欠かせない大谷哲也さんの平鍋です。
岡山県倉敷市の倉敷芸文館広場で毎年春に開催されるフィールドオブクラフトというイベントがあります。全国からクラフト作家が集い、陶器やガラス食器、レザークラフトや雑貨など、作家さんのブースが50~60店並び、展示・即売されるイベントです。10数年前、開催当初だったこのイベントに二人で出かけ、出店されていた大谷哲也さんのブースでご本人と対面する形で購入することができました。奥さんは事前に大谷哲也さんの耐熱皿(鍋)をすでに知っていおり、ぜひ手に入れたいと意気込んで出かけた事を覚えています。出店ブースでは、作家さんを目の前に色々と説明を聴きながら、器を手に取って購入できるようになっており、奥さんが器の大きさや表情を吟味して購入しました。

美しき、はたらく器。

美しい白い陶器で蓋のないシンプルな平鍋です。一見、これから装飾が施されていく、制作過程段階の陶器とも思えるほどシンプルなデザインです。シンプルで余分な装飾はないものの不思議と工業製品的な表情はなく、作家さんの手仕事が感じられます。プリミティブで洗練されている。美しく土器的な器とでも言えますでしょうか。作家さんのインタビュー記事を読むと、器の「普遍性」をテーマに制作されていることも、作品を手に取ってみるとよく理解できます。
この大谷哲也さんの平鍋。奥さんは「はたらく器」と呼んでいます。調理器具としての鍋として直火での使用ができ、焼き物、煮物などの調理に使用できます。ハンバーグなどもフライパンのような使い方で、ガスコンロの直火でハンバーグの表面を焼いた後、そのまま器ごとオーブンに移し、じっくり火を通して完成。といった具合に料理の各工程で、食材を別の調理器具に移し替えることなく完成できます。
そして、出来上がった料理をこの平鍋ごとそのまま食卓へ。調理器具としてのフライパンや鍋の役割だけでなく、そのまま器として使用できます。持ち手がついていないので、出来立て熱々の料理鍋の持ち運びには少々気をつけないといけませんが、鍋の淵をミトンなどを使用して持てば問題なく運べます。また、土鍋を購入した際に行う「目止め(めどめ)」の処理が必要ありません。目止めとは、器の水漏れやヒビ割れ、におい移りを防ぐために行う処理のことを指します。購入した土鍋を水洗いした後、ごはん・片栗粉・小麦粉などのでんぷん質と水で加熱し、陶器の目をふさぐ処理のことです。「土鍋の使い始めは、まず目止め」と言われるようですが、この平鍋はその必要がありません。
テーブルに鍋敷などを敷いて熱々の料理が食卓に鎮座します。食卓においた途端、調理用具としての道具感はなく、美しい器に盛り付けられた料理になるのが不思議です。保温性もあるので、食べ終えるまで熱々の料理を楽しむことができます。サイズは18センチ、21センチ、24センチ、27センチ、それぞれに深さ(浅、並、深)がラインナップされています。我が家は、21センチ(並)を購入。二人暮らしの万能サイズで、さまざまな料理に大活躍です。購入当初は綺麗なクリーム色でしたが食卓ではたらくほどに、直火とオーブンで味のある焦げ色がつき、愛着のあるものになっていきます。

一家に一個、永く使える大活躍の器(鍋)です。