鍋の食材は極力少なく。
年々、短くなっているような夏から秋が終わると、我が家の晩御飯は、ほぼ毎日と言っても大袈裟ではないくらい鍋。11月くらいから翌年3月くらいまで、1週間のうち2、3日は鍋です。奥さんの言うところ、調理の下準備に時間がかからず、後片付けも楽。ライブ感ある食卓で会話も弾み、お酒も進むうえ、何より暖まります。そんな我が家の鍋料理には流儀があります。その流儀は一つ。鍋の食材は極力少なくする。メインの食材を含めて、3~4種類にしています。ただし、ベースとなるスープには、昆布、カツオなどを使用し、しっかりとしたスープとします。さびしい流儀だなと思われるかもしれませんが、食材費用の節約と言うことだけはありません。長年、冬の定番として食した結果たどりついた流儀です。流儀の理由は1.メインの食材が思いっきり堪能できる。2.ダシの旨味がシンプルに味わえる。3.見た目もきれい、後片付けも簡単。
1.メインの食材が楽しめる。
鍋のメイン食材といえば色々あります。魚だと、ふぐ、あんこうなど高級な食材は滅多に食せなくとも、鱈などは比較的安くて美味しい主役となります。侮れないのが、カワハギ鍋。こちらは身切れも良く、あっさりと飽きなく食べれる意外な主役となります。肉だと鳥肉がおすすめです。これもまた、あっさりとした味わいで大好物の具材です。鳥肉のダイレクトなスープも別の一品として味わえるくらい美味しいです。薬味もネギなども地産地消のもの、ポン酢、醤油などは、少しこだわったお気に入りのものを使用します。決して超一流、高価ではなくとも、無添加の食材であったり、地元のものだったり、、お気に入りの器だったり、箸だったり、少しこだわりをもった方がより楽しい鍋となります。鍋に入れる食材を極力少なくすることでとにかくメイン食材がたっぷりと、しっかりと堪能できます。いろんな主役級の食材が相まって、美味しいんだけれど、それぞれの印象が薄れ、漫然とした満腹感だけが残ってしまう。そんなことなく、ガッツリとメインの味を堪能できます。メインの他の1種か2種の食材はネギ、白菜、あげ、エノキなど。あくまでメインを引き立てる脇役的な食材、魚であれば臭み消し的な食材をチョイスしています。
2.ダシの旨味がシンプルに味わえる。
さまざまな具材が織りなす出汁も、確かに奥深く美味しいですが、メイン食材を軸とした2、3種類に抑えた具材の出汁はシンプルでダイレクトな旨味とあっさり感、スッキリ感あるスープとなります。鍋の後の雑炊で物足りなさがあれば、味付けし直せます。翌日の味噌汁の出汁としても再利用可能です。出汁というより、上品なスープとして食せます。
3.見た目もきれい、後片付けも簡単。
といっても我が家的主観なのかもしれません。メイン食材:鱈サブ食材:白ネギこの鍋も毎年、何度も食すレパートリーですが、見た目は、、ほぼ白。真っ白です。これをキレイというか、味気ないと思うかはそれぞれの感性だと思いますが、我が家的には大変、スタイリッシュな仕上がりだと感じています。鍋は黒いものだとメリハリがあって良いかと思いますし、白なら白でまさに白鍋。もちろん、鍋一品で食卓を囲むわけではなく、前菜や箸休めの一品には彩りを添えて。今夜は鍋!とにかく鍋を豪勢に!といった一点豪華ではなく、食卓全体のバランスとして、主役は鍋だけどバラティ感のある食卓を心がけています。あえて、極々シンプルな主役にする。週2、3回の鍋でもコストも抑えられるし、メインを変えることで飽きも来ず、会話のはずむ鍋の楽しさを週何度も楽しめる。シンプルなことは続けることができます。後片付けも楽々です。鱈の白鍋の場合、ほぼ、何も残りません。翌日の朝に洗い物を回してもいいくらいです。晩御飯の鍋にとっておきの特別感と盛り沢山感を求められるご家庭であれば、我が家的な鍋流儀はそぐわないかもしれませんが、鍋を囲んでの食卓の会話の楽しさを、できるだけ日々に取り入れていく。
引き算のデザインとでもいえる我が家の冬のシンプル鍋。おすすめです。