生きている味噌 「藤原みそこうじ店」の味噌

ふとしたお試し買いで出会いました。

平日の食事の買い物は、もっぱら奥さんに任せっきりですが、週末には二人で、食卓の買い物に出かけます。だいたい決まったお店に立ち寄ります。我が家のこだわりとして、食材は極力無添加のものにしています。インスタ、ブログで紹介されている食材、調味料を探したり、お店で見つけた気になる食材を買い求めたりします。その日も、決まったお店を一通りめぐり、食材を買い求めました。途中、最近見つけた市内の自然食品のお店に立ち寄りました。こじんまりとした小さなお店。こういったお店に並んでいるおすすめの調味料や乾物は、どの店も同じ商品が置いてあることが多いです。どのお店に行っても置いてあると言うことで、その商品がやっぱりいいんだなとも思えます。この日も、そんな感じでお店の中を見渡していました。普段、こういったお店での購入の主導権は奥さんにありますが、ふと僕が気になるものがありました。冷蔵ショーケースにならんでいた味噌です。「藤原みそこうじ店」とある味噌す。シンプルで素朴なラベルデザインに惹かれて手に取ってみました。生産地は鳥取県若狭町。出身地の兵庫県北部、現在住んでいる岡山県の近くでもあることから親近感もあり、ますます興味が沸き奥さんに声をかけ、その日は珍しく僕主導でお試し買いをしてみました。ショーケースには米こうじ味噌、麦味噌、季節限定の味噌。何種類かのラインナップがありましたが、米こうじ味噌を購入してみました。

鳥取県八頭郡若桜町の自然と職人が作り上げた味噌。

鳥取県八頭郡若桜町。兵庫県養父市と鳥取県八頭郡若桜町との県境にある標高1,510mの氷ノ山(ひょうのせん)系の天然水と、鳥取産の気候の寒暖差で生まれる良質な米や大豆を使用、ミネラル分が豊富な沖縄産海水塩を使用し、天然醸造で作ってあるそうです。添加物や温度を加えず、酵母菌の力だけで熟成し、熟成期間中はクラシック音楽をかけながら1年以上熟成しているそうです。豊かな自然と音楽が醸す、無添加非加熱で作った味噌ということです。発酵の主役である麹菌の抽出も行っているそうです。この味噌を手がける藤原さんは、岡山県倉敷市出身とのこと。大学時代に民俗学に夢中になり、人の暮らし振りを学ぶべく全国を旅し、農業を立て直したいという思いから味噌づくりに出会ったそうです。島根県の農業法人に就職され、それを機に味噌作りの勉強のため京都で170年続く味噌製造の老舗店に転職。その老舗店でも外国産の原料を使用するといった企業ゆえの妥協に疑問を持ち、鳥取県に移住し、原料までこだわる味噌作りに挑戦した方と知りました。酵素を生かす藤原さんの自然醸造の味噌に比べれば熱処理や添加物を加えた味噌は消費期限も2倍にもなるそうですが、安定しない自然に委ねる味噌づくりにこそ、面白さがあると語られています。

幸せの味噌汁。

家には使いかけの味噌があったのですが、どうしても試してみたく早速、味噌汁を作ってみました。これが美味しい。素朴でありながらしっかりとした風味が際立っており麹の粒感も心地よく手作り感が味として実感できます。味噌汁がより暖かく、体に染み渡っていく感じがあります。日本人でよかったなと改めて感じさせてくれる味噌汁でした。購入してから冷蔵庫で保管して使用していきましたが、面白いことに日が経つにつれ味噌の味、風味が変化していきます。味の深みが増していきます。これも自然醸造の味噌ならではの美味しさです。これを機に、すっかりファンになり、赤味噌、白味噌などを常備するようになりました。味噌汁の具材によって変えてみたり配合したり、

我が家の幸せの味噌、おすすめの逸品です。